Past Exhibition

   松本敏裕 展
ver.2 ~ 画家の目、コレクターの眼 ~

会期:2023.4.25 Tue. - 4.30 Sun.

時間:火〜土 11:30-18:00/日・祝 11:30-17:30
定休日 なし
4月30日(日) 最終日は16:00終了となります
会場:Galerie Floraison

作家在廊日 27日(木)以外は全日在廊しております。

詳細に付きましては、ギャラリーへお問い合わせ下さい。
☎ 03-6228-6152

⁂東京アートアンティーク 4/27~4/29に参加しております。
⁂尚、5/1(月)~5/15(月) の間、ゴールデンウイーク期間といたしまして休廊とさせていただきます。


 

明末清初の五彩磁器と民藝、古道具蒐集と制作

    ~蒐集品の組み合わせの妙~

平成六年頃から日本橋、京橋、六本木、南青山の鑑賞陶磁器店を訪ねてから30年。

油絵を描いている立場から、明末清初の五彩磁器の器体への図柄の構成、色の配置バランス、筆さばきに興味を持った。形式化されたモチーフの組み合わせであっても同じものはない。日本からの注文が多いと言われる青花、呉須での下絵付けの『古染付』でも五枚揃いの皿を観察すると微妙に位置や描きこみに違いがある。皿の図柄の染付を五枚どころか何十枚も繰り返したが、量産体制であるからこそ、うっかりではない一部の表現を変える職人の気持ちが見て取れる。彩色技法の極みとなる康煕後期以降では極上の描きこみがあるが、鑑賞する側が身を固くしてしまう。

美術工芸教育に関わっているので、過去の日常生活の中の道具、衣料品に関心が増している。素材は木、金属、土、布など多岐にわたり、同じ用途の道具でも時代や地域により姿が違っている。骨董市で出会っても、道具そのものの用途すら分からず謎解きが必要となる。

最近は、明末清初の五彩磁器と民藝・古道具と組み合わせた静物画を描いている。

 

中国、明末清初の動乱期に景徳鎮民窯で製作された五彩磁器。

見込に、百足、百足をつっつく一羽の雌鶏と六羽の雛、鶏頭花に竹、ひな、蝶などが描かれている。これには六羽の雛が描かれこの図は 「五子登科図」と呼ばれるもので、その意味は五人の子供がすべて科挙に合格する。官吏になるための国家試験に合格し立身出世を果す吉祥慶寿の文様である。また鶏頭花も鶏のトサカも官吏の冠を表し、いずれも科挙に合格して官吏になる願望 を示している。 (京都国立博物館企画展冊子より)

 

今回、展示のモチーフとして生卵を組み合わせた作品にしました。実物も展示します。

また近所の庭に檸檬の木があり、懇願して枝ごと檸檬を頂き南京赤絵皿と昭和の瓶と組合せた静物画とし、他にも梅の花と蝶を配して、見込の余白にバランスよく青花(染付)で詩文で記した七寸皿の実物も展示します。

会期中は会場で、ネット上では画像でお楽しみいただければ幸いです。

                           2023年 4月 松本敏裕

松本敏裕

[ 檸檬と南京赤絵七寸皿 ]

 

F4  油彩

 

松本敏裕

[ 鳩車と康熙五彩七寸皿 ]

F4  油彩

松本敏裕

[ 生卵と南京赤絵七寸皿 ]

F4  油彩