ミャオ族 (苗族)

中国貴州省

ミャオ族(苗族)は自称モン、ムーなどという。

東南アジアではモン族の呼び方が一般的である。ミャオ・ヤオ語系の属し中国では貴州省、湖南省、雲南賞、四川省、広西チワン族自治区など、又東南アジア北部に広く分布して居住している。

 

紀元前3世紀に秦によって滅ばされた楚の子孫として自称しており、後漢時代の漢族から武陵蛮と呼ばれた集団であるとされる。漢族が追われて南下が進むと、低盆地を中心に広がり住んだ集団と、狩猟、焼畑による移動を繰り返して山岳地帯に生活する集団にわかれたが、平地で稲作をしていた前者のミャオ族は明清朝に反乱を繰り返した結果、多くは山深く入ることを余儀なくされた。

 

少数民族中最も華やかで、支族ごとに変化に富んだ衣装様式を持つ民族であり、農作業の合間には、女性たちは衣装作りに余念がない。

糸を紡ぎ、織り、染めた布に、赤やピンクといった華やかな色の絹糸を好んで用いて刺繍する。刺繡法も様々であるが、ローケツ染めで文様を表したり、「布畳」ともよばれる折り畳んだ布片を縫い重ねて立体感ある装飾をしたりと、様々な技法により華やかな色合の衣装が完成する。

 

五穀豊穣の恵みをもたらす龍、信仰対象としての鳥、ミャオ族の祖先と考えられている蝶は最もよく表されている衣装文様である。

ミャオ族 婦人

ミャオ族 刺繍の手作業の風景

ミャオ族 刺繍の手作業の風景

農作業の合間に作り上げていく